


いつまでも健康で、美しい歯を維持したいという思いは、誰もが抱く願いです。しかし虫歯や歯周病、または外傷など何らかの原因で歯を失ってしまうことがあります。そんな時、以前は入れ歯などで補っていましたが、それに代わる治療として、今、最も注目されているものがインプラント治療なのです。
インプラント治療とは、歯の抜けたところに人工歯根(インプラント)を植立し、顎の骨に固定させた後に人工の歯を装着するという治療です。しっかりと固定させるので、入れ歯のような不安定さ、不快感、特有の口臭がなく、天然の歯と同等の力で噛むことができる画期的な歯の治療法なのです。

以前は歯を失った場合、入れ歯やブリッジで代用する治療が一般的でした。しかし入れ歯は安定感に欠けたり、衛生管理に手間がかかるなどの問題がありました。また、ブリッジの場合も欠損している歯を支えるために、両隣の歯を大きく削らなくてはならないなどの弊害があります。
しかしインプラントの場合は、まず歯を失った部分の顎の骨に人工歯根(インプラント)を植立して、顎の骨と人工歯根がしっかりと固定されたことを確認した上でセラミックの歯を被せる治療法なので、安定感があります。また天然の歯と同等の力で噛むことができ、入れ歯のようにぐらついたり、隙間に食べ物が挟まるなどの心配がありません。元からあった自分の歯を取り戻したような感覚で、再び快適な食生活が楽しめるようになるのがインプラント治療なのです。

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まずは患者様に歯を失ってしまったことの弊害や悩み、どのような状態に戻したいかなどをカウンセリングによって伺い、費用などをお伝えします。そして実際に歯の状態を診察し、歯を失った部分の大きさや位置、インプラントを埋め込む骨の硬さなどを確認いたします。 |
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実際の治療に入る前に、インプラントの適用の可能性について検査を行います。レントゲン写真や口腔内写真を撮影し、また歯型の模型を作ります。 |
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インプラントを埋め込む部位の歯茎を切開し、顎の骨をドリルで削ってネジ状のインプラントを埋め込みます。最後に切開した歯茎を縫合します。手術時間は30分から60分くらいで終わります。普通はこの1回だけで手術は終了します。 |
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一次手術を行った後は、インプラントが顎の骨としっかり固定されるまで約2~3ヶ月ほど安静にします。この間は定期的に検診して、骨との接合具合を診察します。手術した部位には仮歯や入れ歯を入れられる場合もあるので、日常生活には大きな支障はありません。 |
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必要に応じて再び歯茎を切開し、歯肉の上にインプラントのヘッド部を露出させる手術を行います。このヘッド部に人工の歯を取り付けることになります。この手術後、切開した部分が治るまで1~2週間程度、安静にします。 |
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切開した部分が治った後、型をとって人工の歯を作製します。そして埋め込んだインプラントのヘッド部に人工歯をセメントで固定するか、ネジで固定します。これで治療は完了です。 |
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インプラント装着後は衛生面でのアフターケアとして、2ヶ月から半年に1回程度の定期的な検診を受けることをお薦めします。 |
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伊藤博文といえば、わが国の初代総理大臣として歴史に名を残しています。そんな伊藤総理ですが、実はある事故によって前歯を失い、入れ歯をする羽目になったのです。
明治25年1月の事。伊藤総理は人力車で永田町の総理大臣官舎から出たところ、急に横から小松宮妃殿下の馬車が走ってきたのを避けられず、落車。前歯を3本折る大けがをしました。この時、東京歯科大学の前身・高山歯科医学院を創設した高山紀齋先生が治療に当たりましたが、折れた歯を全部抜いて、入れ歯にしたそうです。
当時の入れ歯は今の入れ歯とは全く異なり、黄楊を削って作ったり、西洋から入ってきたゴム床義歯を使っており、どんなに精密に作っても今の入れ歯のようなフィット感はなかったでしょう。その後の伊藤総理は入れ歯の不具合を抱えながら公務に当たっていたであろうことが、容易に想像できます。
この時代にインプラントがあれば、政治の難局も乗り切っていったのではないでしょうか?
歯学博士 古内泰生